カエルといえばものすごい数の種類がいます。全世界でおよそ4000種類もいるといわれているんですね。ただ、その中でもアマガエルのような小さなカエルからウシガエルのような大きなカエル。さらにはツノガエルのように動かないカエル、パジェットガエルのようなタイプと様々な形態がいます。
アマガエルなんかもそーですが、ウイルスから身を守るために表皮粘膜に毒を出しているもの。ツチガエルなんかヘビなど外敵に襲われたときのために毒を出したりしますね。
では、カエルの中で毒を持っているものといえば代表格に位置するのはやっぱりヤドクガエルではないでしょうか?ヤドクガエルってものすごい種類が多いカエルです。
そのヤドクガエル、種類によっては危険なほどの毒を持っていますが、非常にカラフルで綺麗なカエルなのでペットとしても結構人気だったりするんですよね。それに、飼育方法もそんなに難しいわけでもありません。毒さえ気を付ければ誰でも飼育できます。
そんなわけで、本日はヤドクガエルの生態から飼育方法、餌まで解説していきたいと思います。それでは行きましょう!
ヤドクガエルとは?

ヤドクガエル科(矢毒蛙科、Dendrobatidae)は両生綱無尾目に属する科の1つです。
生息地
北アメリカ南部、南アメリカ、ハワイ(オアフ島)
形態
アイゾメヤドクガエルがヤドクガエルの中でも最大ですが、それでも6㎝程度ですので小型のカエルになります。
寿命は3~15年程度になります。ヤドクガエル全般的に言えることですが、体表はカラフルな色をしています。種類によっては毒を保有することによる警戒色と考えられています。
弱い毒性の種類でも体色はカラフルなものもいますが、これは、ベイツ型擬態といいまして、外敵から身を守るために自分も強い毒をもっているとアピールしているわけです。
ペットとしておすすめなのは危険性の低いベイツ型擬態のヤドクガエルを飼育すればよいと思います。例えば、アイゾメヤドクガエル、キオビヤドクガエル、マダラヤドクガエル、コバルトヤドクガエル、イチゴヤドクガエルなんかは良いと思います。
毒性
神経毒(アルカロイド系)です。僅か20μgの投与で大人の人間を殺してしまうほどの強い毒を持っています。ヤドクガエルは地球上の生物が持つ毒ではパリトキシンの次に死亡リスクの高いパトラコトキシン、ヒストリオニコトキシン、プミリオトキシンといった毒をもっています。
なので、天敵である蛇が食いついてきたらこういった毒を使うわけです。そうするとさすがに天敵といえどタダでは済まないわけです。ちなみに、パトラコトキシンを持つのはフキガエル属の3種類で最も危険なヤドクガエルといわれています。
モウドクフキヤガエル、ココエフキヤガエル、アシグロフキヤガエルこの種は常に皮膚粘膜に毒を分泌させているので触るだけで危ないです。また、この順に強い毒をもっております。逆に、これ以外のヤドクガエルはそこまで強い毒を持っていないため飼育にも適しています。心配なら無毒のヤドクガエルを飼育すればよいと思います。
ちなみに、ヤドクガエルの毒の仕組みですが、同じ地域に生息するアリやダニを食べ体の中でその毒を蓄積しますので、人工飼育で毒の無いコオロギやミルワームなどを与えている限りでは毒が作られません。
生態
アメリカ大陸の低地から高山まで熱帯雨林に生息します。肉食性で餌は昆虫や節足動物を食べます。ほかのカエルのように川や沼地で産卵するものもいますが、雨でぬれたわずかな水場で産卵を行う個体もいます。
デメリットは餌がない場合があることですが、ヤドクガエルは生命力も高く餌をとらずに成体になることも珍しくはありません。また、面倒見がよいカエルで親が卵を背負い水場まで移動することもあります。
ヤドクガエルはビバリウムで飼育するべき?
ヤドクガエルの値段は?
ヤドクガエルは爬虫類両生類のペットショップに行けば販売されていることが多いです。お近くにそういったペットショップがないのであればインターネットショッピングを利用してみるのも良いでしょう。

楽天ショップで探せばヤドクガエルは販売されています。安いものだと1万円以下、アイゾメヤドクガエルでも1万3千円程度で購入できますね。そんなにお高い買い物ではありませんので是非ご利用ください。
飼育環境
ビバリウムがよいのか?ネットを調べるとそんな書き込みもあります。そもそもビバリウムとは、生息環境を水槽などで再現したもので、アクアリウムやテラリウムも含まれます。ヤドクガエルの場合はテラリウム寄りのアクアテラリウムで良いのではないかと思います。
こればかりは人によって変わりますので何ともいえませんが、基本は陸と水場があり、湿気を保ち、温度、湿度管理をしている飼育環境を再現すればよいのかなと思います。
ただ、ツノガエルなどと比較して、隠れ家や草木などは多めにすると良いのではないだろうかと思います。
ケージ
ヤドクガエルはそこまで大きく成長はしませんのでケージは大きいものでなくても大丈夫です。30㎝ぐらいのツノガエルなんか飼育するケージや水槽があれば十分です。
床材
フロッグソイルもしくは、腐葉土などを使用すると良いでしょう。掃除のしやすさを考えるとウールマットがおすすめですが、草を植えることを考えると、ソイルや土を使用するほうが良いですね。
温度管理
水槽の下にパネルヒーターを半分だけ敷いて温めてください。ただ、パネルヒーターの場合土だけは暖かくなるけど水槽の中の室温は温まりません。
なので、冬はエアコンをつけっぱなしにするか、電気代が気になるなら暖突、保温球を使用しましょう。これを使用するときも注意が必要で爬虫類のように皮膚が強くはないので若干離して使用すると良いと思います。
普通は水槽のふたに設置しますが、ふたではなくその上にある棚の板に設置しましょう。そうすると、床材までの距離がかなりとれるうえに両生類でも負担なく温めることができると思います。
そして、温度は常に25~30度程度は保つようにしましょう。
湿度
常に、霧吹きを1日2回程度。水場を作る。フロッグソイルを湿らせる。などの工夫を行います。ビバリウムの環境が雨が止んだ直後の状態をイメージされると良いかと思います。雨上がりの藪は水滴があります。そんな感じですかね。
餌
ヤドクガエルの餌は人工飼料に慣れさせると簡単で良いのですが、はじめのうちはなかなか食べないと思いますので、餌用のハエや小型のコオロギを与えると良いでしょう。そのほかはアカムシや小さなミルワームですね。餌はヤドクガエルの口に入るサイズのものにしましょう。活餌に慣れると人工飼料の食いつきも良くなります。頻度は週に5回程度。1回あたり10匹程度が良いかと思います。
ヤドクガエルの飼育上の注意点について。

餌のやりすぎ
どんな生き物もそうですが、基本的に餌はやり過ぎないほうがいいです。むしろ、長生きさせたいなら成体になったらあまり餌をやらないほうが良いです。ただ、成長段階であるならしっかりと餌を与えないとサイズが大きくならないというデメリットがありますので常識の範囲内の餌の量にしましょう。
掃除をしっかりと
掃除を行わないと床や水場が汚くなりますよね。そうなると菌が繁殖します。菌が増えるということは、防衛反応としてヤドクガエルが毒を発生させるのです。そうなると死んでしまうリスクが上がりますので出来るだけ掃除はマメにやりましょう。1週間に1回はフンの掃除。毎日水の交換。
フンや尿の掃除のしやすさを考えると、植物は人工のものか、鉢で植える。そして、フロッグソイルを使う感じが良いかなと思います。そうすれば植物も取り出しやすくなりますからね。フロッグソイルは面倒ですが週に一回洗う。そのように清潔さを保ちましょう。