本日はケヅメリクガメの飼育方法についてお話してみたいと思います。
陸棲カメ、水棲カメを飼育するうえでコンパクトにしたいという人も非常に多いと思います。例えば、パンケーキリクガメのような小さなカメを飼育したいと思う人。
確かに10~30㎝程度の小さなカメであればマンションなどの集合住宅でも気軽に飼育することができますからね。
ただ、一軒家にお住まいで大きなカメを飼育したいという人もいるでしょう。
大きなカメを飼育するメリットは存在感があっていいなと思える満足度。散歩をさせると子供たちやペット好きな人たちが寄ってスマホで写真をねだってきます。大きなカメを散歩している人って珍しいしそれこそ都会だったらなおのこと。
一方、デメリットは食事量が多いので飼育費用がバカにならないのと、糞尿の量もそれなりにたくさんになりますので掃除が大変です。そして、病院などに連れて行くとき…
大きなカメは重たい!というところです。
まあ、それでも存在感があってカッコいいですから飼育する価値は十分にあると思います。さすがにマンションで飼育するのは難しいと思いますが一軒家でお庭で買うならおすすめです。
というわけで、本日はケヅメリクガメの飼育方法についてお話してきたいと思います。それでは行きましょう!
ケヅメリクガメとは?

ケヅメリクガメ(Geochelone sulcata)は、爬虫綱カメ目リクガメ科リクガメ属に分類されるカメです。
生息地
エリトリア、エチオピア、スーダン、セネガル、ソマリア、チャド、ニジェール、マリ共和国、ブルキナ・ファソ、ベナン、モーリタニアになります。
形態
最大甲長83㎝程度とかなり大型のカメです。甲板には成長輪がありますからここかあ年齢を推定することができます。種小名がsulcata。筋がある。溝があるという意味になります。これは凹凸の成長輪が由来しています。
縁甲板の外縁はノコギリのように尖っています。第二~四椎甲板の頂点は少し平べったい形をしています。しかし、年齢を重ねるごとにこれらが不明確になる個体もいます。
また、生息地によって形態が異なることがあります。モロッコタイプは背甲の色が白色でこぶが出にくく、ガーナタイプは色黒でこぶが出やすいです。
甲板の継ぎ目をシームといいますがこれが少し暗く、孵化直後の幼体は明確にわかりますが、老体になるとわからなくなります。喉甲板は突き出ています。
若干小さな頭、吻端は突き出ていません。後肢と尾っぽの間に突起物があります。これは、和名や英名のspurred=拍車のある、蹴爪のあるが由来です。小さな鱗で尾っぽの先端が覆われています。幼体は背甲がドームのように盛り上がり成長につれて平べったくなります。
生態
サバンナや砂漠周辺に生息します。明け方や夕方に活動する薄明薄暮性が基本となります。そのため、夜や昼や地面に掘った穴で休みます。乾季になると巣穴で休眠することもあります。
基本的には植物食です。稲科の植物、多肉植物、花、果実を食べます。野生下では常に水が飲める環境ではないため植物や新陳代謝による水分を摂取します。
繁殖時にオスとオスは体当たり、噛みつくなどして争います。メスに近寄り総排泄孔の臭いを嗅ぎ、体当たりをしながら動かなくなったメスに対して交配を行います。
飼育下では1回平均15個(最大34個)の卵を年間して最大6回に分けて生んだ事例があります。温度は約28度の環境下で120-170日、約30℃の環境下で85-100日で孵化しています。
ケヅメリクガメの飼育方法
販売価格
ケヅメリクガメは個体数が減っていることから輸出制限がかけられています。養殖個体のみ個体取引が可能とされていますから簡単に手に入るという個体ではないかなと思います。
ただ、ショップによっては販売されていますのでまずはお近くのショップを訪ねてみてはいかがでしょうか?
販売されていなくても取り寄せてくれる店舗もありますので一度探してみましょう。どうしても難しそうならネットで販売先の店舗を探して購入すればよいと思います。

トータス・スタイルさん 〒571-0039 大阪府門真市速見町10-3-2Fにて販売さています。ベビーなら価格は30000円程度で購入することができますので欲しい方は是非行ってみてください。
ケージ
ベビーの段階であれば大きなケージは必要ありません。60~90㎝ぐらいのケージで飼育すればよいと思います(小型リクガメと同様の飼育方法で良いです。)
しかし、5年で30センチ、10年で50センチ以上になります。餌を沢山与えればもっと早く成長します。そのことを考えると終生飼育をするとなるとよほど大きなケージか、庭、ケヅメリクガメ専用の部屋を用意してあげる必要があるでしょう。
部屋で飼育すると糞尿がとてつもないので、おススメは庭に2~3平米ぐらいのスペースをとってあげて、柵で四方を固めます。天井は網の蓋を張り付けて特大のケージを作ることで非常に飼育しやすいと思います。
床材
庭の土よりもカメ専用に床材を敷き詰めたほうが良いかなと思います。爬虫類用のサンドを庭に敷き詰めます。そこに、タンポポ、オオバコ、クズ、ハコベ、ノゲシ、クローバー、ムラサキツメクサ、カラスノエンドウ、ナズナやアロエ、サボテンなどの雑草や観賞用植物を植えてあげると良いです。
糞尿をしても植物を植えておくとそれを栄養として吸収しますので衛生的にも良いのです。
また、餌を与えなくてもそれらを勝手に食べてくれます。あとは、カメが休めるような隠れ家や穴を作ってあげると良いですね。
掃除に関しては、1週間に一度砂の上をほうきで掃いてあげます。ほかに糞が落ちているとかあれば直接ティッシュなどでとりましょう。
水飲み場
爬虫類用の水入れなどで水飲み場を作っておきましょう。
温度
昼間 22~30℃/夜間 18~20℃前後 昼間と夜で多少差をつけてあげることがポイントになります。
庭で飼育するにしても温度計を設置して置き常に温度管理を行います。
放し飼いの面積を大きくするとその分電気代がかかりますが仕方がありません。保温球、バスキングスライトなどを使用して柵の中全体の温度を適温にしましょう。
湿度
砂漠に生息するカメですので湿度は低いほうがよく、30~60%程度になります。外で飼育するとなると雨が降ったときなどに対策はしなければいけません。
では、家の中のほうが良いかというと、実は絶対湿度は雨の日は野外よりも室内のほうが高くなるので外に出しておいたほうが良いのです。もちろん、雨には当たらないように屋根は必要になりますけどね。
その上で、柵内の通気性を良くし、必要であれば除湿器もつかってあげましょう。あとはできるだけ湿気や水が入らないような構造にすることです。そうすれば吹野対策ができます。
餌
基本的に野菜を食べるので、生野菜に粉末のサプリメントや水を振りかけて食べさせてあげましょう。
松菜、チンゲン菜、モロヘイヤ、カブの葉、ダイコンの葉、サラダ菜がおすすめ。ほかには、タンポポ、オオバコ、クズ、ハコベ、ノゲシ、クローバー、ムラサキツメクサ、カラスノエンドウ、ナズナやアロエ、サボテンなどの多肉植物を好んで食べます。
副食にグリーンリーフ、サニーレタス、レタス、ターツァイ、ツルムラサキ、キュウリ、ニンジン、カボチャ、オクラ、菜の花など。
果物はオレンジ、いちご、リンゴ、バナナ、マンゴー、キウイ。ただ糖分が多いので果物はあくまでもおやつに与えてあげます。
気を付けることといえば農薬です。無農薬野菜をリクガメ用に購入してもそこまで高い餌代にならないのでそれがベストですが、一般のスーパーに売られている野菜を餌とするなら農薬用の洗剤を使用しましょう。
餌の量は子亀の段階であれば毎日1~2回程度、少し残す程度。大人になったら、1日多くても1回、たまに与えない日もいれます。
寿命
飼育下での平均は30年、中には50年生きたという個体も。うまく飼育すれば100年以上生きることも可能なので長いパートナーとして大切に飼育しましょう。
日光浴
外で飼育するなら日光浴ができているのでそれでよいのかなと思います。人によっては大きくなったら散歩させることもあります。公園などで大きなカメを散歩させていたら目立つので人気者になれると思いますよ。
冬眠
庭で飼育するにしても保温球などを使用しているなら冬眠は考えなくても良いかと思います。確かに乾季に穴を掘って休眠を行いますが、そもそも日本にはいない亀なので同じ気候で飼育するのは不可能だと思ってください。そう考えると冬眠という選択肢はなくなるかと思います。