トノサマガエルといえば、田舎の水田や沼、湖にいけばよく見かけたものです。しかし、最近は大幅に数を減らしてしまい、準絶滅危惧種に指定されているほどらしいですね。
私も子供のころに水田の周辺でトノサマガエルと探して捕まえて飼育したことがあります。
アマガエルほど小さくはなく、ウシガエルやヒキガエルのように大型ではない。ある意味程よい大きさでプラケースでも飼育できてよいのかもしれませんね。
お子さんの自由研究にも良いかもしれませんよ。それこそ、毎日どんな餌を与えた。どのようにして成長した。何時ごろ鳴くこが多いのか?など。生物を飼育し、観察していると何らかの気づきというものはあります。
それをレポートにまとめてあげるだけでいい研究結果を見ることができると思います。捕まえるのも簡単ですし、ウシガエルみたいに大きくないので育てるのも手軽です。
さて、本日はそんなトノサマガエルの生態や飼育方法についてみていきたいと思います。
トノサマガエルとは?

ステータス
名前 トノサマガエル(学名:Pelophylax nigromaculatus)両性綱・カエル目・アカガエル科に分類されています。ダルマガエルとそっくりなため混同されていることも多いです。
生息地
実は、トノサマガエルは日本の在来種ではなく外来種なのです。はじめに北海道で学校教材として持ち込まれました。それが野生化して全国へ広がったのです。生息地は、本州(関東平野から仙台平野にかけて除く)、四国、九州、中国、朝鮮半島、ロシア沿海州に生息。また北海道の一部(札幌市・江別市など)
形態
体長 オス 38~81mm、メス 63~91mm程度。動物界らしくメスのほうが体が大きいです。日本国内にいるカエルの中でもそこまで大きくはありません。アマガエルやカジカガエルなどと比べると大きいですが、ウシガエルやヒキガエルと比べると小さいです。
後肢が長いのが特徴的です。ジャンプや遊泳が得意です。オスは茶色に緑の筋が入っています。メスは灰色で白もしくは黄色の筋が入っています。
また、背中に斑紋がありますが、これは繋がっていることが多いです。オスのトノサマガエルは繁殖期になると不明瞭な斑紋になり体全体の色が黄色くなります。
生態
日本では春から夏にかけての、4~6月ごろ。夜中、オスは水田、沼地など水場に集まり水面で鳴嚢を膨らませ鳴き始めます。比較的大きな音ですがウシガエルほど大きな声ではありません。
トノサマガエルが大きな声で鳴く。この意味は縄張りで外敵やほかのオスに対する警告。そして、メスへのアピールです。半径1.6mにほかのオスが入ったら激しく鳴き始めます。これは威嚇の意味です。
さらに、接近し、自分の縄張りに入ったらとびかかり喧嘩を始めることもありますが、縄張り意識が強いのは繁殖期だけです。このときにメスがオスに近づくと、すかさず抱きつき、縄張りから離れ、交配を行います。
メスは一度の繁殖期に1回だけ産卵を行います。また、オスの中でもサテライトオスと呼ばれるものもいます。これは、積極的に鳴きません。ほかのオスの縄張りの周りに自分のポジションをとります。
すると、縄張り意識の強いオスが鳴くため、ほかのオスを追い払ってもらうことができます。そして、縄張りオスに引き付けられたメスを見計らって横取りするのです。
このように、自分はあまり仕事をせずに合理的に繁殖活動を行うスニーカーと呼ばれるオスは、両生類や魚類に多いです。トノサマガエルのオタマジャクシはジェル状に固まっています。数は1800~3000個程度あります。
生まれたオタマジャクシは水中にある動物の死骸、落ち葉、植物、苔などを食べ、秋までにはカエルになります。
トノサマガエルのオタマジャクシの飼育方法

採集方法
トノサマガエルは4~6月に産卵期ですから、夏場に水田や緩やかな川で見つけることができます。がさを行えば比較的捕まえることができますのでチャレンジしてみましょう。
飼育環境
プラケースか水槽を用意しましょう。魚と同じく水を張ってポンプもしくはろ過器を回します。砂を敷かないベアタンクでも良いですし、砂を敷くアクアリウムでも良いです。水は水道水はダメなので、最低限カルキを抜いた水、できればバクテリア剤などを使用して水質を整えましょう。冬を越して翌年変態するオタマジャクシもいますので冬場の対策としてヒーターを使用しましょう。
餌
餌は魚の人工飼料で大丈夫です。動物性の餌を与えたいなら冷凍アカムシなどを与えてあげると喜んで食べます。
掃除
基本は魚と同じですのでろ過器を回しているなら1か月に1回程度、掃除と3分の1の水替えをしてあげれば問題ないです。
トノサマガエルの飼育方法
採集方法
基本的に水場の近くにいることが多いです。田んぼの通路、小川の横、沼の近隣など。水場の近くの草むらを探してみましょう。また、池の前で休んでいる姿も見られます。
飼育環境
飼育環境はヒキガエルと同じでも大丈夫です。プラケースもしくは水槽を用意します。フロッグソイルもしくは昆虫用の腐葉土を敷きます。個人的にはフロッグソイルのほうが洗いやすいのでおすすめです。
シェルター、石、人工草、などで隠れ家を作ってあげます。あとは、タッパーなどで水場を作り、霧吹きを使い湿度を保っておきます。
ヒーター
日本国内に生息しているカエルですのでヒーターが必要なのか?ということなのですが、ヒーターは設置することをおススメします。なぜなら、両生類、爬虫類の冬眠はやってみるとわかりますが意外と難しいです。
冬眠が失敗すれば死んでしまうということもあります。ですから、ヒーターを使用してあえて冬眠をさせないのです。
ツノガエルなどで使用するパネルヒーターや保温球を使うことで冬を越すことができます。温度は20度~25度程度を保っていれば問題ありません。
餌
餌はツノガエル用の人工飼料、ミルワーム、コオロギ、ゴキブリを与えれば喜んで食べます。
掃除
蛙はフンをして土の上を汚してしまいます。腐葉土の場合はフンをとりやすいようにあえてマットを敷いておくのも一つです。フロッグソイルであればそのまま洗うことができるので掃除はしやすいかと思います。