本日はファイアサラマンダーの飼育方法についてお話ししたいと思います。
ファイアサラマンダーはイモリ科サラマンドラ属の生き物になりますから、両生類の中でもイモリの一種と考えても良いでしょう。
また、サラマンダーとつく両生類といえば、サンショウウオをイメージされる方も多いかもしれませんね。確かに、ウーパールーパーの学名はメキシコサラマンダーですし、タイガーサラマンダー、オビタイガーサラマンダーという個体はすべてサンショウウオになります。
そもそも、サラマンダーは両生類の中でも有尾類(有尾目)を持つ個体のことなのでイモリも対象になります。
また、イモリはサンショウウオにくらめると、目の上の筋肉がしっかりとしており、顔立ちがいい。それに比べてサンショウウオはちょっと間抜けな感じというと失礼かな。力のないやさしい顔をしています。
そんな、イモリの中でも結構カラフル。ペットとしても人気の種類であるファイアサラマンダーの飼育方法についてお話ししたいと思います。それでは行きましょう!
ファイアサラマンダーとは?

ファイアサラマンダー(Salamandra salamandra)は、ヨーロッパに生息する陸生有尾類。古来サラマンダー(火蜥蜴)と称されてきたのは本種である。Salamandra はギリシャ語の「火のトカゲ」または毒を発射するという意味の(ファイアー)が語源。
形態
全長15-25cm。稀に30cmに及ぶ。体色は黒地に警戒色として鮮やかな黄色(まれにオレンジ色)や赤色の斑点や縞がある。
ずんぐりした体と短くがっしりした四肢、太く短い指、胴体よりやや短い円筒状の尾を持つ。後頭部の両側と、背中の正中線にそって2列に並んで顆粒状の毒腺がある。ファイアサラマンダーの毒腺の大きさは有尾類中最大である。オスはメスよりやや体が小さく、特に繁殖期では総排泄孔がより膨れている。
生態
暗く湿った場所を好む。一番多く生息するのは、近くに繁殖に使える水場がある落葉樹林や混合林の林床で、ほとんどの時間を石や倒木の下、木の根の隙間、他の動物の掘った穴などの隠れ家で過ごす。ファイアサラマンダーは空間認識能力に優れており、餌を取りに出歩いた後は、元の隠れ家に帰る。主に視覚、補助的に嗅覚によってランドマークとなる地形を覚えて帰り道を判別する。特に繁殖期になると、オス同士は縄張り争いをすることがある。お互いに立ち上がってレスリングを行うこともある。
生活環
生後4-5年で性成熟する。繁殖期になると、オスの総排泄孔は顕著に膨れ上がり、中で精包を作る。
分布
ファイアサラマンダーは右の図の様に南欧・中欧・東欧に生息する。分布の北限はドイツからポーランドにかけて。東はカルパティア山脈にそってウクライナとルーマニアまで。南はブルガリアを越えてギリシャとイタリア へ。西はフランスを越えてイベリア半島までである。スカンディナビア・イギリス・アイルランドには生息しない。多くは標高 400-1000 m の山地に生息する。ドイツではもっと低地にも見られる。逆にバルカン半島やスペインではもっと高地にも見られる。
ファイアサラマンダーの飼育方法
水槽
ファイアサラマンダーは大きくなっても25cm程度なので60㎝水槽で充分飼育することができます。なので、日本のアカハライモリと同じぐらいの飼育環境を用意していただければと思います。
水槽もそこまで高価なものは準備する必要はありません。昔は60㎝水槽もそこそこの値段はしましたが、最近ですとすごい安いです。5000円ぐらいでもいいです。
水槽台に関しては、スチールラックでも良いと思います。ただ、スチールラックで飼育する場合は必ず板を敷きましょう。水槽への負荷が強くなるためこの対策はしましょう。
必ずフタを!
必ずフタをしてください。爬虫類用の網蓋でも良いですし、アクリル蓋、ガラス蓋でもよいです。重りはどっちでもよいです。イモリなのでそれほどパワーは有りませんのでフタを吹っ飛ばすということは有り得ません。隙間を作らなければ逃げられませんので大丈夫です。
販売価格

市場価格は10000円程度です。イモリの中では高いほうではありますが、お手頃な値段ではないでしょうか。ほかにも楽天ショッピングなどでもみましたが、大体この値段です。
ちなみに、両生類の場合は通販オーケーなです。本来なら最寄りのショップで状態を確認してから購入するのがベストですが販売されていないならこういったネットショップを利用するのもありですね。
飼育環境
日本のアカハライモリの場合はアクアリウム、水が多めのアクアテラリウムで飼育している人も多いです。アカハライモリも基本は水の中で呼吸をするときや、体を休めるときにたまに陸地に上がる程度なのでそれでよいと思うんです。
ただ、ファイアサラマンダーの場合は水中ではなく、森林の湿地に生息するイモリなので水飲み場は用意しても良いですが、水場を要する必要はありませんん。
どちらかといえば、ツノガエル用にテラリウムにすれば飼育することができます。
床材
床材は様々ですね。メンテナンスを簡単にやりたいのであれば湿らせたウールマットでも良いでしょうが、フロッグソイル、赤玉土、ヤシガラ、腐葉土などを湿らせて、ミズゴケや石、流木、シェルターで隠れ家を作るのが一般的です。やはり湿度の高い場所に生息するイモリなので水槽内を湿らせた環境にすることが重要になります。
温度
特に夏場は要注意です。
温度が25℃以上にならないように水槽内の温度を下げる必要があります。対策は、クーラーの効いている部屋に水槽を置く、冷却ファンを使用するといったところでしょうかね。あとは、温度が上がりにくいような場所に置くことをおすすめします。
一方で、冬場はどうすればよいかというと、保温球、パネルヒーターで温度管理を行ってください。暑くし過ぎてしまうのも問題なので23℃程度にキープしておくことをおススメします。
ちなみに、最低5℃まで耐えられる生き物なので冬場でもそこまで冷えないという家庭なら保温対策は必要ないかもしれませんね。ただ、温度があまり低すぎると冬眠に入るので冬眠をさせないなら一定以上温度を保つ必要があります。
逆に冬眠させるなら土を多く入れましょう。また、冬眠中も湿度はしっかりと保つため霧吹きをかけます。ちなみに、冬眠を失敗すると死亡するのであえて冬眠させない人も多いです。
餌
餌は、コオロギ、ミルワーム、ミミズ、食用ゴキブリにカルシウム剤、ビタミン剤を添加して与えます。あとは、イモリの人工飼料に慣れさせると良いです。生餌がないときでも手軽に栄養バランスの高い餌を与えることができますからね。
餌の頻度ですが、ほとんど成体を購入されると思いますので、成体の話をしますと、1週間に1~2回、頭の大きさぐらいの餌を与えましょう。餌の与えすぎは寿命を縮める原因になりますのでこれぐらいが丁度良いのです。
寿命
過去に50年以上の長生きの個体もいたそうです。10~20年ぐらいは現実的な年数だと思います。イモリやサンショウウオは体型が小さいのにかかわらず生命力が高く非常に長生きしますので飼育し甲斐もありますよね。